山都町の人材育成事業『チャレンジ・応援！山都ラボ』では、山都町をフィールドに自分でプロジェクトを立ち上げて楽しみながら活動する町内外の方を『プロジェクトオーナー』としてサポートしています。

今回の記事では、令和５年度にプロジェクトオーナーとして参加し、その後も山都町で活動を続けている飯星秀美さんを取材しました。

プロフィール

名前：飯星　秀美（いいほし　ひでみ）
出身地：山都町
居住地：山都町
プロジェクト：
香りでSDGs　～子供達には香育を、大人には嗅覚を使ってより楽しく長生きできる町づくりを目標に～

突然ですが、皆さんは「嗅覚反応分析」をご存じでしょうか。
嗅覚反応分析とは、植物の恵みである精油（エッセンシャルオイル）の香りの好みからその時の心と体の状態、思考、行動の傾向を読み解き、その人の状態にあったアロマや食事、運動などを取り入れることで、より良い暮らしへと導く助けとなるものです。

そんな「嗅覚反応分析士インストラクター」として活動するのが飯星秀美さん。
地元山都町で働くかたわら、週末に開催されるマルシェなどを中心に香りの体験ブースを開き、嗅覚反応分析やアロマクラフトのワークショップなどの活動をしています。

▼飯星さんの行う嗅覚反応分析についてはこちら

山都ラボで「嗅覚反応分析」を多くの人へ

まずは、飯星さんが嗅覚反応分析に出会ったきっかけを伺いました。

飯星さん
「娘が偏頭痛がひどくて、薬以外に何か和らげるものはないかと思って、アロマはどうかなと行ったお店で『嗅覚反応分析』を知りました。『眠れない時はラベンダーがいい』などと聞いたことはあったけれど、ラベンダーの香りが好きじゃない人は眠れるわけないよな、というのが前からちょっと疑問でした。でも、好きな香りは人それぞれ違うし、同じ『眠れない』ことに対しても、人によって必要な香りとかケア方法が違うということを知って、これはすごいなと興味を持って。それから勉強して資格を取りました」

嗅覚を使って心や体の状態がわかり、そのケア方法まで分析できるということは、あまり知られていないのではないでしょうか。そんな学びに感銘を受け、少しでも多くの人に知ってもらいたいという思いで「嗅覚反応分析士インストラクター」として活動を始めたのだと飯星さんは語ります。

飯星さん
「個人で小さく活動していたんですが、山都ラボを知って、たくさんの人に体験してもらいたいなと思って応募しました。何かしたいなって気持ちがずっとあったけれど、自分が主催で体験会をしたいと思っていてもなかなかできなかったので、ぜひやってみたいなと。個人となると『何をしてるのかな』と見る人も不安ですよね。『嗅覚でそんなにわかるのか』と誰でも疑問に思うと思うので。なので、町もサポートしてくれる機会はチャンスだなと思いました」

実際に昨年度は山都ラボを通して、山都町内で体験会を３回実施し、約80名の方に嗅覚反応分析に触れる機会を提供してきました。体験された方の中には「嗅覚でこぎゃんこともわかるったい！」と驚きの感想をもらうこともあったそうです。

飯星さん
「嗅覚分析によって、自分で自分の状態がわかる。癒しにも使えるし、どこが弱っているかがわかるから、ケア方法として私も生活の中で使っています」

五感の中で、脳に信号を送るのが一番早いのが嗅覚と言われているんだとか。だからこそ、嗅覚という本能的な体の反応を通して、自分でも当たり前すぎて見過ごしていることに気付かせてくれることは多いようです。

「香育」で子どももお年寄りも元気に

山都ラボを通して活動した１年間で行ってきた体験会の中では、アロマを使った嗅覚反応チェックに加えて、ハンドトリートメントも行いました。

飯星さん
「ハンドトリートメントもとても好評でした。（施術）する方も気持ちいいし、してもらうと全然違う。幸せホルモンがお互いに出るので癒されます。普段の暮らしの中で、触れあうという機会がなかなかないから。大人だけでなく、子どもにもいいですね」

今後も定期的にそうした体験の場を作っていきたいと話す飯星さん。さらに、幅広い世代へ向けた取り組みも見据えています。

飯星さん
「お年寄りは、嗅覚を鍛えると若返ると言われています。嗅覚は鍛え直すと復活するので、健康を維持することに繋がるし、そういうことも話して広げていきたい。
そして一番やってみたいことは、子どもたちへの香育（こういく）です。家庭教育に関わる機会などで、学校や保育園を回って香りの勉強に親子で参加してもらう機会を作れたらと思っています」

生活の中で感じられる、様々な香り。風に乗って運ばれる季節の植物の香りや、食べ物のにおい、車の排気ガスのにおい。多種多様な香りからわかる自然の大切さや、嗅覚そのものが生きる上でとても重要な要素だということを知ってもらい、自分たちの暮らしを豊かにするために活かしていってほしい。
そんな思いを込めて、香りで山都町の人々の暮らしに彩りを添える活動をこれからも続けていきます。

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企画制作：合同会社ミミスマス
インタビュー／文／写真：中川薫

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