【求人】仕事中心から人間中心の暮らしへ。チームワークで熊本の土台をつくる、矢部開発株式会社
世界では人口が爆発的に増え続ける一方で日本では少子高齢化が進み、テクノロジーではAIが時代を席巻しつつあるなど、めくるめく変化の激しい現代。都市部での慌ただしい暮らしの中で、人として何か大切なことを忘れている気がする。そんなことを感じている方もいるのではないでしょうか。
熊本県山都町は、有機農業発祥の地といわれ、SDGs未来都市として持続可能な町づくりを実践している、ほっと一息つく人間らしい暮らしができる場所です。
そんな山都町では、人口減少時代にしなやかに対応していくためのUIターン促進事業として、令和4年度から『やまとしごとSTORE』を実施しています。
令和5年度の『やまとしごとSTORE』では、地域の高校生が将来的に山都町で暮らし、働くことをイメージしてもらうため、町内にある熊本県立矢部高等学校の全校生徒と山都町内の15事業者が交流するイベントを開催しました。
今回の記事では、令和5年度のやまとしごとSTOREにご参加いただいた『矢部開発株式会社』の上田幸子さんにお話を伺いました。
熊本市でバリバリ営業の仕事をこなしていた上田さんが山都町へUターンすることになったきっかけから、建設業として山都町のライフラインを守る現在の仕事の話、そして新たな仲間の募集までお届けします。
帰るつもりはなかったけれど
山都町矢部の中心部である浜町出身で、Uターンしてからは地元の企業である矢部開発に勤めて20年以上という上田幸子さん。明るくサバサバとした雰囲気が印象的です。
現在は会社の総務経理を取り仕切る責任ある仕事をしていますが、もともと山都町へのUターンを考えていたわけではありませんでした。
上田さん:
矢部中学・矢部高校と地元にいて、大学から地元を離れました。大学を出たらバリバリ仕事をして、自分でやっていけるような生活がいいなと考えて、熊本市内の方で働き始めたんですけど。
コピー機の営業をしてたんですね。でもちょっと色々あって疲れまして。当時は朝から晩まで働いて、土日も仕事して、という会社だったので。
たとえば、営業先に入っている自社のコピー機が他社に取られたらもう有罪判決です(笑)。逆に他社の機械を自社のものに入れ替えてきたら王様!みたいな、コピー機中心の生活でした。
でも、社会人としての基礎を作ってくれたのはそのときの経験だなと、そこはすごく感謝してて。仕事に対する姿勢とか、社会人としての何たるかとか。ぜんぜん無駄じゃなかった、修行の期間だったと思います。
それで、そのあと地元でゆっくり仕事したいなと思っていたら、たまたま矢部開発に従兄弟がいたんですよ。それで事務員を探しているということで、入れてもらったという経緯です。
大人になって噛みしめる、山都町での地に足ついた暮らし
子どもの頃は地元へのこだわりも特になく、進学や就職をきっかけに都市部へ行き、ふとしたときに疲れている自分に気づく。そして、自分を癒やしてくれるものは実は最初から地元にあった。
このように、田舎のゆったりした空気が自分自身を再生してくれる、というのも地方の魅力かもしれません。
上田さん:
帰ってきて最初の頃は、8時に事務所に来て5時に帰れるのが本っ当に嬉しくて。嬉しすぎて、夕方5時半ぐらいに、前の職場の同僚に電話したぐらいです。「まだ日報書いてるんでしょ~!」とか言って(笑)
当たり前の幸せを、すごく噛み締めてましたね。暮らし方がすごく変わりました。ここに来たけん、子育ても余裕をもってできた。この会社があったけん、できたんじゃないかなと思うんですよね。
うちの会社で自分と同じ世代、同じぐらいの子がいるところも、自分の子どもの活動に一生懸命になりながら働けているので。
社員が子どもの試合で会社を休むときも、「行きなさい行きなさい!全国大会?行きなさい!」って言います。だって私も見たいもん(笑)地域のクラブで教えてる社員も会社にいるし、こういうところで地域に還元したい。会社の仕事はほとんど公共事業で、皆さまの税金で暮らせているようなものなので。
会社として、うちの人材は地域で使ってくださいと、ゲートボールからサッカーまで快く送り出すようにしてます。
仲が良いからこそ仕事がやりやすくなる
上田さんのお話からは、社員ひとりひとりの地域での暮らしを大切にする会社の様子が伝わってきます。かたや建設業というと現場の厳しいイメージを持つ方も多いと思いますが、実際のところはどうなのでしょうか。
上田さん:
建設業って殺伐としてる雰囲気がありますよね。小僧が親方に怒られて~みたいな。でもうちの会社、雰囲気いいと思うんですよ。事務所に1日いたら分かりますけど、「こいつら仕事してねえな」と思われます(笑)
でも、自分もそっちの方が仕事するうえで楽なので。やるときはやる、面白い話をするときはする。現場も同じですね。なので、すごく自分のペースで仕事もやれると思います。現場にね、逐一社長が行って報告しろとか言わないので。全部監督さんの裁量です。
とにかくうちは、きちんと工期内に作業が終わって、自分で立てた目標内できちんと利益が出てくれてさえいれば、あとは自分の段取りでやりたいようにやってもらうという会社なので。
確かに危ないことがあるので声を荒げたり、衝突したりすることもあるけど、基本みんな仲が良いです。30歳以下の社員が10名ぐらいいて、みんな山都町外なんですけど、60歳ぐらいの地元の社員にケータイの使い方を教えてあげたりしてくれてます。カンボジアから来てる技能実習生も7人いるんですけど、社員のおじちゃんたちと仲良くしてますね。
建設業として地域の将来を支えたい
山都町だけでなく他の町からも、そしてカンボジアからもメンバーが集まっている矢部開発。この多様性こそが、会社の雰囲気の良さを表しているようです。
一方で、将来のことを考えると不安になることもある、とのこと。
上田さん:
会社が継続していかないといけないというのが一番で、そのためにはどうしても人間が要る仕事なので、人材が一番大事ですね。
熊本地震以降、災害も増えてますけど、町のインフラの根本を直してるのは建設業なので。会社がなくなっちゃったらホントどうなるのかなと思います。
今いる社員が総出で対応できたようなことも、10年、20年後に同じような災害が起きたときに、うちが対応できるキャパシティを持てているか。
――まさに町の未来に直結しますよね。
上田さん:
そうそう!そうなんですよ。町の子どもの数も減っていくし…
いま社員が60人ぐらいいて、そのうちの4割が60歳以上です。うちは定年が65歳なんですけど、60歳を超えてリタイヤする方がちらほら出てきてます。
金額の大きい工事がほとんどで、責任が重いし工程も大変なので、歳をとってこられるとそういった仕事が苦になっていくんですね。
なので、ベテラン社員がいるうちに若くてやる気がある子を入れて、技術の継承をしていきたいんです。
入社後は、まずは現場で
会社の継続のため、そして町の未来のためにも若い世代を採用したいという上田さん。今回は4職種の募集ですが、未経験の場合は最初から特定の職種に絞るわけではないとのこと。
上田さん:
うちの場合、最初から「君は技術者だよ」とか「君は機械に乗りなさい」とかは無しで、みんな1回は現場に出てもらってます。
舗装工事とは何だとか、改良工事とは何だとか、水道工事とは何だとか、そういうときにはこういう準備物がいるとか、作業の手順はこうだとか、現場に出て覚えてもらって。
そのなかで監督さん、技術者、オペレーターさん、運転員、作業員さんの仕事を見たりして、「こうなりたいな」というイメージを膨らませてもらって。3年ぐらい経ってから本人と会社の希望をすり合わせていって、方向性を決めてからステップアップしていく形をとらせてもらってます。
現場はやっぱりキツいんですよね。夏は暑いし冬は寒いし、昔より機械化されててもやっぱり力仕事だし。
上の立場に立って人にモノを頼むときに、そういうキツさが分かってて頼むのと、分からないでポンと頼むのって、頼まれる方はぜんぜん違うじゃないですか。なので、必ず現場には出てもらって、「こんな大変な仕事をしてるんだ」って。
それで何か頼むときには、「キツかばってんごめんだけど、ここまでしてもらってよかですか」とか、頼み方1つで円滑になる。工事現場って団体で仕事をせんといけないので、1人で仕事するわけじゃない。なのでチームワーク、協調性を養ううえでも、現場には必ず出てもらうようにうちはしてます。
もちろん経験者の方は最初から専門職でも受け入れますよ。
資格どんどん取って!費用は会社負担
入社後は個人の適性や希望に応じてじっくりとスキルアップしていく体制ができているとのことで、建設業が未経験の方でも安心して働けそうです。では、働くうえで必要な資格などはどうやって身につけていくのでしょうか。
上田さん:
今は草刈り機から何から資格が必要なので、業務に関する資格や講習は、全部会社の方で負担して受けてもらってます。1級土木や2級土木(施工管理技士)は講習会から会社負担して、勉強しに行ってもらってます。
資格をとらないと現場を持てないので。1つの現場には1人の技術者が必要で兼任はできないので、人数を増やすことが必要なんです。
若くてやる気がある子にどんどん現場の経験を積んでもらって、習うより慣れろでやっていってもらいたいんですけど、そのためにもやっぱり資格が必要なので。
以上、矢部開発の上田幸子さんにお話を伺いました。
インタビュー中も笑いが絶えない明るく前向きな方で、社内の雰囲気が良いという話も納得。また、建設業という具体的な構造物をつくる仕事でありながら、あくまでも人間中心の会社づくりをしていることが印象的でした。
そんな矢部開発で地域の土台を支える仕事に興味があるという方は、ぜひ次の連絡先から上田さんに直接ご連絡ください。
◯矢部開発株式会社でのお仕事に興味がある方はこちらから
電話: 0967-72-1010
メール:ueda@yabe-kaihatsu.co.jp
採用情報
企画制作:合同会社ミミスマス
インタビュー/文:内村光希
写真:上野諒