見出し画像

【山都ラボインタビュー】動物好きだからこそジビエを無駄にしたくない。ジビエ専用スパイスの開発:植村真穂さん

山都町の人材育成事業『チャレンジ・応援!山都ラボ』では、山都町をフィールドに自分でプロジェクトを立ち上げて楽しみながら活動する町内外の方を『プロジェクトオーナー』としてサポートしています。

今回の記事では、令和4年度からプロジェクトオーナーとして参加し、令和5年度も継続してプロジェクトに取り組んでいる植村真穂さんを取材しました。


プロフィール

◯名前 植村真穂
◯出身地 和歌山県有田市
◯居住地 山都町
◯プロジェクト かけて焼くだけ!旅するジビエスパイス

和歌山県有田市生まれの植村真穂さん。有田市といえばみかんが特産品で、海沿いに広がるみかん畑に囲まれて成長しました。子どものころに観ていたテレビ番組「ムツゴロウ王国」の影響で動物が大好きになり、この頃の夢はムツゴロウ王国で働くことだったそうです。

植村さん
犬や鳥、ハムスターなど色々な動物を実家で飼ってました。お世話は父の仕事でしたけど…笑


地元の高校在学中に経験したアメリカでの短期留学がきっかけで旅好きに。大学生になってからも色々な国を旅し、偶然訪れたインドに魅了された結果、インドに移住することになりました。

植村さん
たまたま飛行機のチケットが安くてインドに行ったらハマっちゃって。色んなことが思い通りにいかないのが面白かった。バイトをしてお金を貯めて、半年に1回はインドに行っていました。現地駐在員だった日本人の夫にも出会って、気づいたらインドに5年住んでました。

旦那さんのインド駐在の仕事が終わり、夫婦で日本へ帰国。自然に囲まれた暮らしをしたいと考えていたところ、山都町の地域おこし協力隊でジビエ利活用に関する業務の募集があったことから山都町へ移住しました。

地域おこし協力隊の任期終了後も、繁忙期にはジビエ精肉の仕事を手伝っている
ジビエ工房やまとの事務所


地域おこし協力隊として「ジビエ工房やまと」でジビエの解体・精肉加工を経験した後は、ジビエの未利用部位を活用したペットフードの製造・販売を行う『Mother Earth』を立ち上げました。

自身の愛犬の皮膚病に悩んでいたことから、愛犬に優しいオーガニックな食材としてジビエに注目したとのことで、ここにも動物への愛が見てとれます。そしてMother Earthの活動を続けるなか、SNSで山都ラボのことを知りました。

植村さん
プロジェクトオーナーの募集をたまたま見かけて、支援金の15万円で何ができるかなーと考えて。好きだったスパイスの商品開発を思いついて、とりあえず応募してみました。
参加したメリットは、自分にプレッシャーを与えられることですね(笑)ふだんは一人で活動していてモチベーションが下がることもあるので、発表する機会があると自分が動くきっかけになって良かったです。


ジビエの臭みも活かしておいしく食べたい


ジビエを扱った仕事に携わってきた植村さんですが、その中で1つの課題を感じていました。

植村さん
ジビエは時期によって味や香りが変わります。たとえば発情期のオスはやっぱり臭いが強いですし、罠にかかってから止め刺しまでに時間がかかりすぎた場合とか、止め刺しから加工施設に運ぶまでに時間がかかった場合も肉に血の臭いが移ります。
状態が良くてクセのない肉はわりと食べてもらえるのですが、クセが強いと食べる人はなかなかいません。

個体が加工場に運ばれるまでの状況によっても味が変わる


そこで植村さんが思いついたのが、クセのあるジビエでもおいしく食べられるジビエ専用スパイスを開発することでした。

植村さん
和食は引き算の料理なのであまり臭いの強い食材は使われませんが、洋食はスパイスやハーブを使って食材の臭いを活かす足し算の料理です。たとえばフランス料理だと、カモをわざと窒息させて血の匂いを肉につける調理法があったりとか。
同じように、ジビエの臭いもスパイスを使うことで活かすことができるんじゃないかと考えました。

植村さんが山都ラボのイベントでプレゼンしたときの資料


そうして出来上がったのが、ジビエ専用『旅するスパイス』
これまでたくさんの国を旅してきた経験から、それぞれ異なる国の雰囲気を楽しめる4種類のスパイスを開発しました。

植村さん
最初は最近流行りのアウトドア用万能スパイス1種類を考えてたのですが、スパイスが好きでつい色んな種類を作りたくなったので(笑)、結局4種類になりました。

『旅するジビエ』4種類。パッケージデザインは、同じく山都ラボの
プロジェクトオーナーで油絵画家の興梠優護さんに依頼


『旅するジビエ』を広めたい!クラウドファンディングへの挑戦


植村さんは令和5年度も継続して山都ラボのプロジェクトオーナーとして活動しており、2024年1月現在はこのスパイスを広めるためクラウドファウンディングにチャレンジ中です。

ジビエを無駄にしたくないという動物への愛から始まったこの取り組みに共感した方や、植村さんに興味を持った方は、ぜひ下のリンクもご覧ください。

◇こちらから支援できます!クラウドファンディングCAMPFIREページ
https://camp-fire.jp/projects/view/689994?utm_campaign=cp_po_share_c_msg_mypage_projects_show

◇instagram @gibier_spice_lab
https://www.instagram.com/gibier_spice_lab/?hl=ja

◇Facebook 『旅するジビエ』
https://www.facebook.com/profile.php?id=100090355960722

◇山都ラボに関わりたい!ラボサポーターへのお申し込みはこちら
https://forms.gle/6z4jXk7ZreNihGKs8



企画制作:合同会社ミミスマス
インタビュー/文:内村光希
写真:上野諒