『やまとしごとSTORE』とは?子どもたちに伝えたい、山都町での豊かな働き方・暮らし方
「フリーランス」「働き方改革」「ワーケーション」「リモートワーク」「副業」「リスキリング」などなど。ここ数年で、働き方に関する新しい単語をたくさん目にするようになりました。これは、個人の働き方がそれだけ変わってきているということを表しています。
ここ山都町でも、就職する方もいれば起業して自分で事業を立ち上げる方、さらにはそれらを組み合わせて複業的に働く方など、様々な働き方をしながら暮らしを楽しんでいる方がたくさんいます。そんな山都町の大人たちの現在を子どもたちに伝えるための取り組みが、令和4年度から始まった『やまとしごとSTORE』です。
今回の記事では、この『やまとしごとSTORE』について解説します。
やまとしごとSTOREの概要
『やまとしごとSTORE』は、山都町で活躍する複数の事業者と学生が一同に会して、山都町での働き方や暮らし方について話をするイベントです。
山都町が実施した人材育成事業『令和3年度山都経営塾』の移住定住グループの発案で始まりました。立ち上げの経緯については、別のインタビュー記事でも詳しくお伝えする予定です。
令和5年度は、熊本県立矢部高等学校の全校生徒約120名を対象に、15の事業者が学生に向けてぜひ話をしたい!ということで集まりました。
やまとしごとSTOREのねらい
少子高齢化および人口減少は全国的な現象ですが、山間部である山都町も例に漏れず、その傾向は顕著です。この現状をなんとかしたい!ということで、山都町にUIターンするきっかけを作ることがこの取り組みのねらいです。
地方へのUIターン、いわゆる地方移住にあたっては、①仕事、②暮らし、という2つの側面を両方とも満たす必要があります。そこで、やまとしごとSTOREはこの両面について知ることができるような内容になっています。
当日の内容
ここからは、2023年7月11日当日に行われたイベントの内容を紹介します。内容は前半と後半の2本立て。前半が公開インタビュー、後半がブース交流です。
前半:公開インタビュー
後半のブースにも参加する『ライフトレーニングさんぷうか』の奥村郁彦(ふみひこ)さん、『ARBOL ICECREAM(アルボアイスクリーム)』の藤川里奈さんが登壇。進行はこの事業の運営を担当する筆者(合同会社ミミスマス 内村光希)が行いました。
インタビューでは、「山都町での暮らし、実際どうですか?」ということで、山都町出身のお二人それぞれがUターンしたきっかけや今の仕事にたどり着いた経緯について詳しく聞いていきました。
新型コロナや家庭の事情など、本人の意志ではないことがきっかけで山都町にUターンしたものの、その後は自分の得意なことや興味関心を活かして日々の仕事に取り組んでいるという話がとても印象的でした。
後半:ブース交流
後半は、体育館をまるまる1つ使って15事業者それぞれがブースを用意。各ブースを生徒が回って自由に話をするブース交流を行いました。
参加事業者は次の通りです。
全体像はこんな感じ。
事前の準備として、各事業所の担当者は「紹介シート 個人編」「紹介シート お仕事編」の2つを作成。
この資料をもとに、
1.個人としてどういうきっかけで山都町に住み、今の仕事をすることになったのか
2.今の仕事の内容や、社会的な役割、やりがい
という2点を話してもらいました。
各ブースでは、お仕事に使う道具を持ってきて生徒に触ってもらったり、モニターを持ち込んでプレゼンしたりと、創意工夫をこらして仕事の魅力を生徒に伝える様子がみられました。
参加者の声
総勢150名ほどが集まった体育館は、各事業者の熱い想いがこもったトークもあり大盛況。アンケートの満足度も高い結果になりました。開催後のアンケートに寄せられた意見を一部紹介します。
生徒
Q.あなた自身の将来を考えるうえで、大切だと感じたことをお書きください。
参加事業者
Q.次回も参加を希望する場合、その理由について教えてください。
この通り、参加事業者の様々な想いに触れることで、生徒の皆さんもそれぞれに感じるものがあった様子。これを機にすぐに進路が決まるわけではないですが、生徒の皆さんがこれからの人生でたくさんの選択をするときの、1つの参考になればと思います。
以上、令和5年度の『やまとしごとSTORE』について解説しました。
小さい頃の経験ほど、その後の人生に大きく影響するもの。生徒の皆さんが今後の人生のどこかのタイミングで「そういえば山都町って今どうなってるのかな?」と、ふるさとに思いを馳せるきっかけになることを願います。
企画制作:合同会社ミミスマス
文:内村光希
写真:上野諒